ロードヒポキシス

可憐、無意識

カメラ買った: 富士フィルム X-E1

富士フィルムのカメラはイメージセンサーがすごいよ」 と聞いたのでつい買ってしまいました。

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富士フィルムのミラーレス、X-E1です。約3万円也

 禁断症状を起こして中野の某中古カメラ屋に行った時に、一昨日来た時には5台以上並んでいたX-E1が1台のみになっていたのを見た瞬間に買ってました。後述するマウントアダプターも在庫が無いと言われながらも無理やりテスト用の展示品を売っていただきました。本当にあの店は物欲にかられまくります。

レトロな見た目

 X-E1富士フィルムが展開しているデジカメのブランド「Xシリーズ」においてハイエンドのX-Pro1につづいて登場したミラーレスカメラです。X-Pro1はミラーレスでありながらも光学式ファインダーと電子ビューファインダー(EVF)をを搭載したレンジファインダーカメラ(ミラーを持たず、レンズとは別の窓を用いたファインダーをもつカメラ)のような風貌のカメラでした。

 X-E1はレトロな見た目を継承しながらも光学式ファインダーを除いてEVFのみとし、小型化と軽量化を図ったモデルです。デザインはいかにもレトロなカメラですといった銀色の本体に革張りという構成で、裏側にはデジタルカメラらしく液晶画面や各種ボタンが並んでいますが表から見るとなかなかカッコいいカメラです。

 軍艦部にはダイヤルが2つ並んでおり、よくあるカメラのようなP, A, S, Mなどのモード選択ダイアルではなく、シャッタースピードと露出ダイアルのみで、シャッタースピードダイアルをA(オート)から回せばそのままマニュアルモードへと移行する直感的な操作が可能です。同じミラーレスでもあんなレンズやこんなレンズとMFなレンズばっかり使っていたので、見た目も相まってちょうどいいかもと思ったのもX-E1を買った理由の一つです。

独自配列かつローパスフィルター=すごい

 話は変わってデジカメの命であるセンサーの話になりますが、カメラがデジタル化した際に出てきたモアレと偽色という問題があります。モアレとは細かく規則正しく周期的な模様が2つ重なった際に、その重なり部分で視覚的に発生する新たな縞模様のことを呼びます。偽色は細かく明暗が激しい部分で本来ありえない色が発生する現象を指します。これらがデジカメで発生する原因としてセンサーの構造によって引き起こされることが言われています。デジカメのセンサーはRGBの3色を捉えるため、センサー上にR, G, Bの画素が規則正しく並んでいます。(実際には人の目の感度が高いGの画素が2つあるRGGBの4画素を1単位とする)

 規則正しく周期的に並んだ画素が細かい縞模様を写そうとした時、それぞれが重なった部分にモアレや偽色が発生します。なので通常このモアレや偽色を回避するためにセンサーの上に細かい(高い)周期性を排除するローパスフィルターを重ねます。ローパスフィルターによって細かい縞模様などの高い周期性を持つ光がセンサーに入らないためモアレや偽色を抑えることができますが、同時に細かい像を描写する性能が落ちてしまいます。

 そのためハイエンドなカメラではローパスフィルターをわざわざ排除して解像感を高めましたと宣伝しているモデルもありますが、結果的にローパスフィルターを廃する事によってモアレや偽色が出てしまうことは避けられません。

 富士フィルムはフィルムメーカーらしく、アナログなフィルムに含まれる銀粒子はランダムに配置されているからモアレや偽色が発生しないという視点から、センサーのRGBの配列を変えることによって画素の周期性を下げ、構造的にローパスフィルターが不要なセンサーを開発しました。それが「X-Trans CMOSセンサー」です。

 詳しい構造は富士フィルムのページを見ていただくとして、つまりは通常のセンサーがRGGBの4画素の配列を持っているのに対し、X-Trans CMOSセンサーではGBGRGRGBGの9画素を1単位として扱うことによって非周期性を高め、ローパスフィルターを無くすことによって解像感も高めています。

以下撮影例

 頭の写真でもくっついているのがミノルタのMC ROKKOR 55mm F1.7です。フジノンレンズが高すぎたからレトロなボディに合いそうな金属製のレンズだったのでこれを選びました。設計上ピントリングが重めなので動きのある物体を追っかけるのは難しいですが、風景とかゆっくり撮りたいときにはぴったりだと思います。

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 レンズの性能も含まれるので一概には言えませんが、ローパスフィルターレスな構造を持つこのカメラの出す画はすごく綺麗です。少なくともjpgで撮って出しの画でここまできれいなのは初めてです。いくつかのレビューで「自分でRAWを現像するより本体が吐き出すjpgのほうが綺麗」と言われていた理由がわかる気がします。

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 また富士フィルムっぽさ全開の機能として往年のフィルムを再現する「フィルムシミュレーション」なる機能がついています。自分自身がフィルム世代でないためにこの再現性などはわかりませんがフィルムの企業らしい面白い機能だなと思いました。(ちなみに上の写真は「Velvia」モード)

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 いかんせん3年前の機種なせいか現行のX-E2と比べると動作がもっさりしてたりとかWiFiついてないとかありますが、EVF積んでてセンサーはきれいな画が撮れるので満足です。

おわり