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ロードヒポキシス

可憐、無意識

とうとうロシアンレンズに手を出す: INDUSTAR 69 28mm F2.8

写真 レビュー

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ただし小包はウクライナから届く。

 

 Cマウントの時にも書きましたが,一眼レフカメラのレンズマウントから撮影素子までの距離であるフランジバックが短いカメラは,その差を利用して他社製のレンズを使えるようにするマウントアダプターという物が存在します。レンズマウントの中でもとりわけ短い設計となっているSONYのEマウントはその使い勝手も相まって特に多くのマウントアダプターが販売されています。

 そんなマウントのカメラを買ってしまったが最後,ハードオフのジャンク品から親戚の家の物置まで全てひっくり返し(残念ながら親戚にカメラ趣味はおらず)どんどんレンズが増えていってしまういわゆるオールドレンズ沼とやらに浸かってしまいます。

 

 そんなわけで下半身を大方沼に浸けてしまった自分は,夜な夜なヤフオクで出品されるレンズを眺めていたところ,ロシアンレンズとやらの存在を知りました。要はロシア(当時はソ連)で作られたオールドレンズの一種なのですが,元を辿るとドイツからツァイスの工場を技術者ごと接収してオリジナルと全く同じ設計でコピー品を作ったりしていたようです。そういう経緯で作られたレンズが大量にヤフオクなどでオリジナルより比較的安価に取引されています。

 そのロシアンレンズにも様々な種類がありますが,今回はその中でもコンパクトなレンズであるINDUSTAR 69(ロシア語だとИНДУСТАР-69)を購入しました。今回はヤフオクではなくeBayで購入しました。日本製のレンズは国内のヤフオクの方が数が多く,逆に海外メーカーのレンズはeBayの方が手に入りやすい傾向です(当たり前ですけど)。

 

 今回購入したINDUSTAR 69は,元々CHAIKA 2というコンパクトなレンジファインダーカメラについていたレンズで,一眼レフのようにレンズシリーズを展開するようなカメラでないのにもかかわらずレンズ部分が取り外せるようになっており,そのマウントはライカのスクリュー式マウントであるM39マウントと呼ばれるマウントです。しかしこのレンズだけはマウント径とネジが一致していますが微妙にフランジバックが一致しないロシア独自のマウントのため(M39マウントのほうが約1.3mm短い)無限遠にピントが合いません。お陰でミラーレス一眼に始まるオールドレンズ中古価格高騰の波にも微妙に乗れず,そこそこ安い2,600円程度(送料込み)で購入出来ました。家までには1周間弱で到着

 

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 eBayで妙に安いなぁと思ったのですが実物はそれなりに使い込んだ跡(+分解跡)がありました。ちょっと錆びてるし。あとすこしクモリ?のようなものもあって状態は良くなかったのですが,分解(イモネジ3個)して清掃したらだいぶ綺麗になりました。5枚絞りのずいぶんと構造が単純な設計のようです。グリスも真っ黒になっていたので拭きとって新しく塗り直しレンズ側は手直し終了。

 レンズの表にあるマークから製造された工場と年代がわかるそうです。今回のレンズは右下の方にある楕円のようなマークですが,これはМинский Механический Завод(MMZ)という工場で1960年あたりに製造されたものらしいです。ググるとこの工場は今でも光学機器を製造しているらしい。

 

  次にNEX-5NのEマウントにつけるマウントアダプターを購入。L39/M39→NEXマウントのやつです。後で行うフランジバック調整のために,黒と銀の2パーツに別れる下のような六角レンチが付属する物がお勧めです。

 

とりあえず装着。かっこいいです。

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ピントリングはネジ式で前後する様になっており,絞りは前面の凹凸のあるリングを回して調節する仕組みです。

 

 次は無限遠にピントをあわせるために加工を行います。よくある例としてはレンズ側を削ったりして対応させる例もありますが,正直レンズに手をいれるのは米を残すとお百姓さんに悪いレベルで気が引けるので,マウントアダプター側に加工します。

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先ほど,レンズマウントは2パーツに分離できるような物が良いと書きましたが,このように分離したスクリューマウント側の部品をひたすらヤスリで削る事によって約1.3mm沈み込ませ,フランジバックを調節しようというわけです。参考にしたのはこちらのブログ

インダスター69(チャイカ用レンズ)をNEXで「ちゃんと使う」方法。|友録して頂いた皆様、ありがとうございます☆|ブログ|銀匙|みんカラ - 車・自動車SNS(ブログ・パーツ・整備・燃費)

 

 削ったあとはテストの前にちゃんと清掃してからカメラに装着しましょう。出ないと鉄粉でカメラもレンズもやられてしまいます。いい忘れてましたがマウントアダプターを介したレンズの接続は当たり前のように保証外なので自己責任でどうぞ(遅い)

 

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 加工後。微妙にマウントが沈んでいるのがわかると思います。このレンズはピントリング上に距離目盛と共にマーク(一人顔大写し,複数人,森林家等風景)が入っており,このレンズのとても可愛いポイントです。元のCHAIKA 2というカメラはハーフ判のフィルムカメラですが,これはNEXシリーズのAPS-Cと大体同じ大きさで,このマークを当てにしてもだいたいピントが合います。あと絞りリングが前面にあるせいで操作しづらいのですが,恐らくちょっと絞ってあとはピントリングで頑張るといった使い方を想定しているのでしょう。

 

以下撮影したもの

 

 開放とちょっと絞った(F5.6くらい)の比較。

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 開放だと中央部のコントラストが浅くなったりケラレが目立ちますが,ちょっと絞るとしっかりした描画になり,空などの青色がとても綺麗に写ります。絞った時の解像感もまあまあ

 

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 お昼ごはんのお供。開放に近いと周辺が微妙に流れたようなボケになりますが,Cマウントのようなアホみたいなボケ方はせず,やっぱりちゃんと写真用カメラとして設計されたレンズはちゃんと写るなぁといった印象です(失礼)

 

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NEXのピクチャーエフェクトとかでハイコントラストのモノクロで撮影するとケラレも相まっていい感じの画になって満足です。

 

見ての通りコンパクトなレンズでマウントアダプター込みでも出っ張らず,見た目もかっこいいのでお散歩レンズとしてとても良い選択肢です。

 

おわり